ワイヤードから聞こえてくる君の声は,電話と変わりなくかぐわしいだろうか。ワイヤードから聞こえてくる君の声は,目の前にいる君と同じように刺激的だろうか。
検索エンジンの米エキサイト・アットホーム社はリップストリーム社と組んで,パソコンのマイクからの音声でチャットできるサービスを開始した。このサービスでは,ユーザーはエキサイト・ボイス・チャットを訪れ,アクティブXベースのブラウザー・プラグインでチャットソフトを走らせる。これにより,マイクに話しかけた音声が同じチャットルームにいる人たちに伝わり,また相手の音声も聞くことができる。またエキサイトは,エキサイト・ボイスメールも開始した。これは電話でメッセージを入れると,その音声が電子メールの添付ファイルとして届くというもの。
以前にこの欄でコンピュータが人間の言葉を理解したらというようなことを書いたが,まぁそれにはちょっと時間がかかるとしても,人間同士なら当然言葉を理解できる。なのにあいだにコンピュータを介すと,すべてのコミュニケーションはテキストに置き変わってしまう。これはある意味,理不尽だった。声を交わしたほうがよいことっていうのはやっぱりある。ラブレターによる恋の告白も味があるものだが,きっと肉声で聞いたほうがぐっと来る(か?)。
ボイスチャットのベータテストでは,音質が電話よりもよい場合が多かったという。パソコンを使う理由は電子メールをするため,という人はとても多い。コミュニケーションツールとしてのパソコンが音声を利用できたら,ワイヤードは大きく広がってくるだろう。ワイヤードで,君の声を聞ける日は,近いかもしれない。
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